アンハッピー・ウエディング〜前編〜

「えっ…。マジか」

「?どうしたの、悠理君」

「館内設備改修の為に、現在休館中だって」

ホームページの最新ニュース欄に、赤字で記載されていた。

丁度昨日の日付だから…。昨日から休館してるってことか。

俺達が遠足に行ったときは、普通に開館してたもんな。

…そういや、俺達が『爬虫類の館』に行ったとき。

館内の掲示板に、「改修工事のお知らせ」的な貼り紙が貼ってあったような…気がする。

自称アンドロイド達のインパクトの方が強過ぎて、全然掲示板に視線をやらなかったけど。

「休館…。やってないってこと?」

「…残念ながら」

しかも、そこそこ大掛かりな改修工事らしく。

休館期間は昨日から、来月8月の下旬までと書いてあった。

来月の下旬…つまり、再営業はお盆明けってことか。

ほとんど一ヶ月近く休館なのな。

「…そっか…」

しょぼーん、と。

こちらが申し訳なくなるくらいに、寿々花さんは酷く気落ちしていた。

めっちゃ罪悪感。

俺が悪いんじゃないはずなのに、俺が落ち込ませたみたいになってる。

「ご、ごめん寿々花さん。俺がもっと早く調べてたら…」

「ううん…。もし知ってたとしても、夏休みは今日からなんだもん。動物園がお休みになったのは昨日からでしょ?どっちにしても行けなかったよ」

まぁ…そうなんだけど。

「仕方ないよね、お休みなんだもん…。…あっちで、積み木でピサの斜塔でも作るね」

しょんぼりとした寿々花さんは、そう言って積み木で遊び始めてしまった。

積み木でどうやって…ピサの斜塔作るんだ?

いや、そんなことより。

何かないだろうか。寿々花さんの元気を取り戻す方法。

あんなに動物園、行きたがってたのに…。このまま諦めるなんて可哀想だ。

動物園が駄目なら…えーと、そうだ。

「水族館。寿々花さん、水族館ならどうだ?」

「ふぇ?」

俺は、適当な思いつきを口にした。

とにかく、何処か遊びに連れて行ってあげないと。

この際、動物園じゃなくても良い。

動物園が駄目なら、水族館ならどうだ。

我ながら安直な考えだけど。

でも家の中でピサの斜塔作ってるよりは、水族館でも行った方がマシだろう。