アンハッピー・ウエディング〜前編〜

食後1時間ほど、じっと座って大人しくしていたが。

幸い、胃の調子が悪くなるようなことはなかった。

やっぱり、悪いものは入ってなかったようだな。 

さすがにスープは飲めなかったから、ほぼ残したんだけど。

とにかく、ホッ。

…すると。

「悠理君、ねぇねぇ悠理君」

怪しいインスタントラーメンを食べても、けろっと涼しい顔をした寿々花さんがやって来た。

「どうした?」

「今日は何をするの?これから。何かするの?」

これから?

「そうだな…。特にはやることないけど…」

庭の草むしりでもしようかな、と思ってたが…。外、あっつそうだもんなぁ…。

仕方ないから家の中に引きこもって、夏休みの宿題でもするかな。

「寿々花さんは、何か用事があるのか?」

「あのね、悠理君と一緒に遊びに行きたい」

あー、はいはい。成程。

早速、夏休みを満喫するつもりだな?別に良いけど。

「良いよ」

と答えると、寿々花さんの周囲にお花畑が広がった。

喜んでる喜んでる。

「で、何して遊ぶんだ?」

「一緒に動物園に行きたい。この間悠理君が遠足で行ったところ」

「…」

…そう来たか。

忘れてなかったか…。一緒に行こう、って約束してたもんな…。

動物園に行くこと自体は、別に良いんだよ。

問題は、俺がこの間行った動物園が、普通の動物園じゃないってこと。

『爬虫類の館』だってことだ。

寿々花さんが想像しているであろう動物園とは、全くかけ離れた場所だ。

遠足の日は、何とか誤魔化したけど…。

実際に行くとなったら、もう誤魔化しは効かない。

どうする?…ニシキヘビを見て、寿々花さんが悲鳴をあげたら。

なんか、騙して連れて行くみたいで罪悪感を煽られるんだが。

すると。

「…?やっぱり駄目?」

俺が黙っているのを見て、寿々花さんは不安そうに表情を曇らせた。

あぁいや、違う。そうじゃなくて。

「だ、駄目じゃないけど…。…えーと、どうしても動物園じゃなきゃ駄目か…?」

「ほぇ?」

「あ、いや。ごめん…」

…分かったよ。行くよ。

ただし、期待してたのと違っても、文句言うなよ。

「分かった。これから行こう」

「!やったー」

えーと…。そうと決まったら、バスの時刻を調べないとな。

遠足の日は、俺達は徒歩で連れて行かれたけど。

さすがに、寿々花さんを一時間近くも歩かせる訳にはいかない。

多分バスがあると思うから、調べてみよう。

こんなときに、スマホのマップアプリが役に立つんだよな。

早速俺は、『見聞広がるワールド 爬虫類の館』へのアクセス方法を調べ始めた。

『爬虫類の館』のホームページに、アクセス方法が載ってるかな。

そう思って、俺は『爬虫類の館』のホームページを開いてみた。

そこで俺は、とんでもない情報を目撃した。