十分ほどかけて、俺はこれまで隠していたことを雛堂と乙無に話した。
誰にも話すつもり…なかったんだけどなぁ。
まぁ、そろそろ潮時ってことで…。
と言っても、何もかも全てを打ち明けた訳じゃない。
寿々花さんの名前は出していない。
あくまで、「新校舎の二年生に、親同士の決めた婚約者がいて、その人と一緒に暮らしている」と説明しただけだ。
寿々花さんの許可なく、彼女の名前を出すのはどうかと思ってな。
幸い雛堂も乙無も、寿々花さんの名前を尋ねてくるようなことはなかった。
具体的に婚約者が誰かということより、婚約者がいるということに驚いているようだった。
特に雛堂。ぽかんとして聞いていた。
一方の乙無は、何を聞いても、さして面白くもないみたいな顔をしていた。
興味ないか。悪かったな。
「…まぁ、だから、そういう訳だよ」
一通り話し終えて、俺はそう言って話を締めた。
「…マジかー…」
雛堂は、しばしぐるぐると視線を彷徨わせ。
「それって許嫁って奴?今時、親の決めた許嫁なんて存在するんだな。都市伝説だと思ってたわ…」
…確かに珍しいとは思うけど、都市伝説ってほどじゃないだろ。
少なくとも、無月院家みたいな名家では、珍しいどころか、むしろ当たり前のことだ。
「ふーん。まぁ、そんなところだと思ってました」
と、乙無。
「思ったよりつまらなくて悪かったな」
「全くですよ。別に隠すようなことじゃないでしょう」
そりゃそうだな。
邪神の眷属(笑)を口外して回ってる乙無に比べたら、俺の秘密なんて、秘密にするようなことでもないからな。
「つーか、姉じゃなかったのかよ。ってことはさては、妹がいるってのも嘘だな?」
口を尖らせる雛堂。
「え、あ、うん…」
「それならそうと、はっきり言えよ!」
…それは悪かったと思ってるけどさ。
でも、俺は自分に姉妹がいるなんて、一言も言ったことはないぞ。
雛堂が勝手に誤解して、納得していたってだけで。
「フィアンセかー。彼女いない歴=年齢の自分からしたら、少女漫画みたいで羨ましい話だけどさー…。実際は多分、そんなことないんだろうなー…」
「自分の意志に関係なく、大人達に勝手に決められた相手ですからね。しかも、相手方の方が立場が上ですから。悠理さんが一方的に気を遣わなきゃいけないでしょう」
「うーん…。星見の兄さん、あんた結構苦労してんのな。よしよし」
…突然労り始めた。
苦労ねぇ…。まぁ、そう言ってくれるのは嬉しいけど。
俺だって、この春寿々花さんのもとに来るまでは、随分憂鬱な気分になっていたものだ。
これから先の人生ずっと、無月院家の横柄なお嬢様の世話をし続けるのかと…。
でも、不思議と今は、そんな風には思わない。
何でだろうな?寿々花さんの人柄が分かったからだろうか。
我儘で贅沢で、頭が弱くて、手の掛かる面倒なお嬢様…のはずだったのに。
蓋を開けてみたら、寂しがり屋の、ただの世間知らずなお子様だった。
…な?拍子抜けするってもんだろう?
誰にも話すつもり…なかったんだけどなぁ。
まぁ、そろそろ潮時ってことで…。
と言っても、何もかも全てを打ち明けた訳じゃない。
寿々花さんの名前は出していない。
あくまで、「新校舎の二年生に、親同士の決めた婚約者がいて、その人と一緒に暮らしている」と説明しただけだ。
寿々花さんの許可なく、彼女の名前を出すのはどうかと思ってな。
幸い雛堂も乙無も、寿々花さんの名前を尋ねてくるようなことはなかった。
具体的に婚約者が誰かということより、婚約者がいるということに驚いているようだった。
特に雛堂。ぽかんとして聞いていた。
一方の乙無は、何を聞いても、さして面白くもないみたいな顔をしていた。
興味ないか。悪かったな。
「…まぁ、だから、そういう訳だよ」
一通り話し終えて、俺はそう言って話を締めた。
「…マジかー…」
雛堂は、しばしぐるぐると視線を彷徨わせ。
「それって許嫁って奴?今時、親の決めた許嫁なんて存在するんだな。都市伝説だと思ってたわ…」
…確かに珍しいとは思うけど、都市伝説ってほどじゃないだろ。
少なくとも、無月院家みたいな名家では、珍しいどころか、むしろ当たり前のことだ。
「ふーん。まぁ、そんなところだと思ってました」
と、乙無。
「思ったよりつまらなくて悪かったな」
「全くですよ。別に隠すようなことじゃないでしょう」
そりゃそうだな。
邪神の眷属(笑)を口外して回ってる乙無に比べたら、俺の秘密なんて、秘密にするようなことでもないからな。
「つーか、姉じゃなかったのかよ。ってことはさては、妹がいるってのも嘘だな?」
口を尖らせる雛堂。
「え、あ、うん…」
「それならそうと、はっきり言えよ!」
…それは悪かったと思ってるけどさ。
でも、俺は自分に姉妹がいるなんて、一言も言ったことはないぞ。
雛堂が勝手に誤解して、納得していたってだけで。
「フィアンセかー。彼女いない歴=年齢の自分からしたら、少女漫画みたいで羨ましい話だけどさー…。実際は多分、そんなことないんだろうなー…」
「自分の意志に関係なく、大人達に勝手に決められた相手ですからね。しかも、相手方の方が立場が上ですから。悠理さんが一方的に気を遣わなきゃいけないでしょう」
「うーん…。星見の兄さん、あんた結構苦労してんのな。よしよし」
…突然労り始めた。
苦労ねぇ…。まぁ、そう言ってくれるのは嬉しいけど。
俺だって、この春寿々花さんのもとに来るまでは、随分憂鬱な気分になっていたものだ。
これから先の人生ずっと、無月院家の横柄なお嬢様の世話をし続けるのかと…。
でも、不思議と今は、そんな風には思わない。
何でだろうな?寿々花さんの人柄が分かったからだろうか。
我儘で贅沢で、頭が弱くて、手の掛かる面倒なお嬢様…のはずだったのに。
蓋を開けてみたら、寂しがり屋の、ただの世間知らずなお子様だった。
…な?拍子抜けするってもんだろう?


