アンハッピー・ウエディング〜前編〜

ピザを堪能した後は。

ハムスターの顔の形をしたチュロス、これまたハムスター型のワッフル。

それから、こちらはハムスターではなくチキンだが…照り焼き味のスモークチキンレッグを買い食いした。

こういうのを食べ歩きって言うんだよな。

最初の一軒目で、にんにくたっぷりラーメンをガッツリ食べた雛堂が間違ってたんだよ。

どれもスナック感覚で、小腹を満たすには最適のメニューだった。

まぁまぁお高いお値段なんだが、それだけに満足度も高いものだから、文句も言えない。

さすがハムスターランド、と言ったところか。

食べ歩きが出来る軽食でも、立て続けにいくつも食べると、かなり食べ応えがあるな。

お腹いっぱいになったんだけど。

おまけに、バケットで買ったポップコーンが、まだたくさん残ってる。

調子に乗って買い過ぎなんだよ。

でも、美味しかったから良いや。

「どうだ、寿々花さん。満足したか?」

「うん。でも、やっぱり悠理君のご飯の方が美味しいなー」

バチが当たるぞ。そんなことばっかり言ってたら。

俺の下手な手料理と、ハムスターランドの名物フードを同列に語るなんて。

それだけ寿々花さんが、所謂「家庭の味」に飢えていたということなのだろうけど…。

…ところで。

色んなお店を巡って、買い食いをしている間に。

「雨、ちょっとやんできたね」

「…やんできたな」

つまり、先延ばしにしていた審判のときという訳だ。

ハムーテッド・マンションを出る頃には、土砂降りだった雨が。

今は、小雨くらいになっている。

これなら…ハムラッシュ・マウンテンも運行再開してそうだな。

逃げられないよなぁ…仕方ねぇよ。

覚悟を決めて行くしかない。

こそこそ理由をつけて逃げ回るのも、みっともないしな。

「じゃあ、そろそろ…。ハムラッシュ・マウンテンに乗りに行くか」

「うん!行くー」

一緒に乗るよ。俺も。

こうなったらヤケクソだ。

俺も、ハムスターランドの三大マウンテンに挑戦するよ。

さっき食べたピザやチュロスが、口から出てこなければ良いのだが。