アンハッピー・ウエディング〜前編〜

結果。

何とか、千匹目の仲間になることなく、無事に出てくることが出来た。

…はぁ。

「面白かったー。おばけがくるくる踊ってたね」

…そうなの?

必死に目を逸らしてたから、ほとんど見てなかったよ。

…それにしても。

「…雨脚、強くなってきたな…」

ハムーテッド・マンションから出てくる頃には、朝よりも雨脚が強くなってきていた。

傘買って良かった…。

やっぱり、俺か寿々花さんのどちらかが雨男、雨女ってことだな。

しかし、今ばかりは助かったかもしれない。

「これほど雨が強いと、ハムラッシュ・マンションは運行が止まってるかもな」

「えっ。雨だと動かないの?」

「悪天候のときは、アトラクションが中止になることがあります。って、ガイドブックに書いてある」

「えー」

恵みの雨だよ。素晴らしい。

「まぁ、焦る必要はないさ。今のうちに、回れるところを回っておこう」

もう少ししたら雨脚も弱まって、その頃には俺の心臓も落ち着いているだろう。

そのときは…覚悟を決めて、俺も三大マウンテン最後のアトラクションに挑むよ。

「回れるところ…。そうだね、そうしよう」

うんうん、と頷く寿々花お嬢さん。

「それじゃ、もう一回スペースハムスター・マウンテンに、」

「おーっと。そろそろ昼飯にしようか?例の…そう、パイナップルピザを食べてみようぜ」

「うん、良いよー」

危ないところだった。油断も隙もない。

もう一回アレに乗せられたら、さっき食べたポップコーンが全部、口から出るところだった。

それよりも、今のうちに腹拵えをしておこうぜ。

いよいよ、ハムスターランド名物のパイナップルピザとご対面だな。