アンハッピー・ウエディング〜前編〜

その後、いよいよハムスターランド開園。

俺と寿々花さんは、初めてハムスターランドの中に足を踏み入れたのだった。

悪いな、雛堂。抜け駆けさせてもらったよ。

「わーい。ハムスターランドだ。見て見て、おっきいハムスターがいる」

「あ、こらはしゃぐな。傘から出るな」

濡れるだろ。

興奮してるのは分かるけど、ちょっと落ち着け。

すぐにグッズ屋に寄って、傘を買ってこよう。

てっきり、コンビニに売ってる透明なビニール傘しかないと思っていたのに。

驚いたことに、ハムスターランド限定デザインの傘が売っていて、びっくりした。

可愛らしいハムスターのキャラクターがプリントされている傘。

えーと、ハムッキーって言うんだっけ?このキャラクター。

赤と青と二種類があったから、赤にした。

「ほら、傘買ってきたから。こっちを使えよ」

「え?折角悠理君と一緒の傘に入ってたのにー…」

何で残念そうなんだ?

「まぁ、いっか。じゃあ、こっちの悠理君の傘を借りるね」

「え、いや…。逆だろ?俺が黒い傘を持って、あんたはこっちの、赤いハムッキーを…」

「よし、行こう悠理君。ビッグハムスターだ」

ちょ、待てって。勝手に歩き出すな。

そして、俺の傘を返せ。

気に入ったのか?そうなのか?

俺の折りたたみ傘を差して、ずんずん歩いていく寿々花さんの後を追って。

俺は不本意ながら、買ったばかりの赤いハムッキー傘を差して歩くことになった。

こんなことなら、青い方にしておけば良かった…。

早速寿々花さんが自由奔放過ぎて、ついていけないぞ。