アンハッピー・ウエディング〜前編〜

…それよりも。

まさか、寿々花さんが学年首位を獲得するとは。

今夜は祝杯を挙げないとな。

俺の学年三位なんかより、遥かに凄いから。

今日くらいは寿々花さんの好きなものを作ってあげよう、と思ったが…。

何が食べたいか聞いても、「悠理君のオムライス」くらいしか言わないんだよな。

折角のご褒美メニューなんだからさ、もっと贅沢なものを頼んでくれても良いんだぞ。 

お寿司でも買って帰ろうか、それとも今夜は外食にしようか…とか。

色々考えた結果。

結局、いつものオムライスに、ハンバーグをつけることに決めた。

子供舌だからさ。下手に高級な食べ物より、子供っぽいものの方が良いのかなと思って。

それに、なまじお嬢様だから、そういうお高い食べ物は食べ飽きてそう。

ともあれ、今日くらいは素直に褒めてあげよう。

約束したもんな。頑張ったら褒めるって。

さすがに、学年首位、及び全学年首位は頑張り過ぎだけど。

寿々花さんが、そんなに勉強出来るとは思わなかった。

いつも俺の勉強の邪魔ばっかしてたからな。

しかし、全学年首位を取れるほど頭が良いのに、何でお金の計算は出来ないんだ…?

永遠の謎だよ。

帰り道のスーパーで、ハンバーグオムライスの材料を購入して。

俺は、寿々花さんの待つ自宅に帰った。

「寿々花さん、ただい…ま…!?」

「…」

玄関に一歩足を踏み入れて、俺は再びぎょっとして立ち尽くした。

またしても。

またしても、玄関の隅っこに蹲る、寿々花さんの姿があった。

だ…大丈夫か?