俺は内心、パニック状態だった。
こんな寿々花さんは見たことがない。
「ど、どうした?大丈夫か。どっか具合悪いのか…!?」
玄関で蹲るなんて、只事じゃないだろう。
具合が悪いのか。体調が悪くて、家に帰ってくるなり蹲ってしまったのか?
貧血か?吐き気か?血の気が引いたのか?目眩がしたのか。
俺は買い物袋を放り出して、蹲る寿々花さんに駆け寄った。
「一体どうしたんだ?具合が悪…、」
「…駄目だったかもしれない…」
「…は?」
ようやく顔を上げた寿々花さんは、くらーい陰鬱な表情だった。
顔色は悪いが…具合が悪いという訳ではなさそう。
「今日の試験…。駄目だったかも…」
「そ、そうなのか…?」
試験の話か。体調が悪いんじゃなくて。
試験の手応えが思わしくなくて、それでこんなところに蹲って落ち込んでたんだな?
「じゃあ…貧血じゃないのか?目眩がしたとかじゃなくて?」
「?うん…」
「…何だよ、全く…。そんなことか」
「そんなことって、私にとっては重要なことだよ」
そうか。それは悪かったな。
でも、俺にとっては「そんなこと」だよ。
俺は寿々花さんの試験の結果がどうあれ、ご褒美をあげるつもりだからな。
体調を崩したんじゃなきゃ、何でも良い。
「大丈夫だって、元気出せよ。そんなことで落ち込むな」
「…だって…」
「あれだけ試験勉強頑張ってたんだから、きっと大丈夫だよ。俺もたまにあるよ。試験当日は全然駄目だったと思ってても、そういう科目に限って意外と点数高かったりするんだよ」
逆に、この科目は自信有り!って思ってた科目に限って、意外と点数が伸びてなかったりすることもある。
あれって落ち込むよな。
あんなに手応えあったのに、この程度?みたいな。
なまじ期待するから、期待が裏切られたとき落ち込むことになる。
「ほら、元気出して…立てよ。制服汚れるぞ」
女子部の制服は白いから、ただでさえ汚れが目立つのに。
玄関に座ったりなんかしたら、あっという間に汚れるぞ。
「…うん…」
寿々花さんは立ち上がったけど、その顔はやっぱり、しょんぼりとしていた。
…元気がなさそうだな。
「あ、そうだ…おやつにベビーカステラ買ってきたんだ。食べるか?」
「ベビーカステラ?」
ベビーカステラと聞いて、ちょっと顔色が明るくなった。
よし。
「さっきスーパーに寄ったら、売ってたんだ。まだ温かいぞ。ほら」
「わーい、良い匂い…。…あ、でも」
でも?
「ご飯の前におやつ食べたら駄目だって、悠理君が言ってた」
「言ったな…。まぁ、でも今日は特別に、許可する」
「やったー」
だから、これで少しは元気出してくれ。
どっちみち、点数に関わらず「お願い事」は聞いてやるつもりなんだから。
こんな寿々花さんは見たことがない。
「ど、どうした?大丈夫か。どっか具合悪いのか…!?」
玄関で蹲るなんて、只事じゃないだろう。
具合が悪いのか。体調が悪くて、家に帰ってくるなり蹲ってしまったのか?
貧血か?吐き気か?血の気が引いたのか?目眩がしたのか。
俺は買い物袋を放り出して、蹲る寿々花さんに駆け寄った。
「一体どうしたんだ?具合が悪…、」
「…駄目だったかもしれない…」
「…は?」
ようやく顔を上げた寿々花さんは、くらーい陰鬱な表情だった。
顔色は悪いが…具合が悪いという訳ではなさそう。
「今日の試験…。駄目だったかも…」
「そ、そうなのか…?」
試験の話か。体調が悪いんじゃなくて。
試験の手応えが思わしくなくて、それでこんなところに蹲って落ち込んでたんだな?
「じゃあ…貧血じゃないのか?目眩がしたとかじゃなくて?」
「?うん…」
「…何だよ、全く…。そんなことか」
「そんなことって、私にとっては重要なことだよ」
そうか。それは悪かったな。
でも、俺にとっては「そんなこと」だよ。
俺は寿々花さんの試験の結果がどうあれ、ご褒美をあげるつもりだからな。
体調を崩したんじゃなきゃ、何でも良い。
「大丈夫だって、元気出せよ。そんなことで落ち込むな」
「…だって…」
「あれだけ試験勉強頑張ってたんだから、きっと大丈夫だよ。俺もたまにあるよ。試験当日は全然駄目だったと思ってても、そういう科目に限って意外と点数高かったりするんだよ」
逆に、この科目は自信有り!って思ってた科目に限って、意外と点数が伸びてなかったりすることもある。
あれって落ち込むよな。
あんなに手応えあったのに、この程度?みたいな。
なまじ期待するから、期待が裏切られたとき落ち込むことになる。
「ほら、元気出して…立てよ。制服汚れるぞ」
女子部の制服は白いから、ただでさえ汚れが目立つのに。
玄関に座ったりなんかしたら、あっという間に汚れるぞ。
「…うん…」
寿々花さんは立ち上がったけど、その顔はやっぱり、しょんぼりとしていた。
…元気がなさそうだな。
「あ、そうだ…おやつにベビーカステラ買ってきたんだ。食べるか?」
「ベビーカステラ?」
ベビーカステラと聞いて、ちょっと顔色が明るくなった。
よし。
「さっきスーパーに寄ったら、売ってたんだ。まだ温かいぞ。ほら」
「わーい、良い匂い…。…あ、でも」
でも?
「ご飯の前におやつ食べたら駄目だって、悠理君が言ってた」
「言ったな…。まぁ、でも今日は特別に、許可する」
「やったー」
だから、これで少しは元気出してくれ。
どっちみち、点数に関わらず「お願い事」は聞いてやるつもりなんだから。


