アンハッピー・ウエディング〜前編〜

「畜生…。星見の兄さんも乙無の兄さんも真面目だな」

「邪神イングレア様の眷属たる者、人間に無様な姿は見せられませんから」

だってよ。

中二病全開の言動も、充分無様だと思うけど。

「さては、二人共学年トップを取って、ランキングに載ろうとしてんな?」

と、雛堂。

…ランキング?

「何だよ?ランキングって…」

「へ?知っててガリ勉してたんじゃねぇの?」

いや、ガリ勉ではないけど…。

「この学校、試験の度に成績上位者の名前がランキング形式で貼り出されんだよ。校内の掲示板に」

雛堂が、そう教えてくれた。

衝撃の新事実。

「マジかよ…。そんなことしてんの?この学校…」

「漫画や小説の中だけだと思ってました」

乙無も知らなかったようだ。

本当。学園モノの漫画や小説では、あるあるだよな。

成績上位者の名前と点数が貼り出されててさ。

「委員長、また満点だって。」「さすがだよな」みたいなやり取りしてんの。

フィクションの中だけだと思ってたよ。そんなことすんの。

リアルでやったら、凄く生々しい感じにならないか?

あ、でも成績上位者の名前が出るだけなんだよな。

ランキング最下位の名前まで出されたんじゃ、その生徒は間違いなく不登校になるぞ。

男子部の生徒は学年の人数が少ないから、気を抜いてるとあっという間に最下位になりそう。

「確か、成績上位10位までの生徒が発表されるらしいぜ。先輩から聞いた」

「ふーん…。それって男子部も?」

男子部は一学年十数人しかいないんだから。

上位十人のランキングだったら、ほぼ全員の名前が載ることになるぞ。

「いや、男子は上位三人のみじゃなかったっけ」

そこは一応、配慮されてるんだな。

成程…。学年の中で上位三人ね。

「星見の兄さんと乙無の兄さん、ワンツーフィニッシュが見られるかもな。いやぁ、自分も鼻が高いよ」

「他人の威光に縋って鼻を高くしてないで、自分の成績を自慢して欲しいものですね」

全くだよ。もっと言ってやれ、乙無。

十数人の中で、上位三人か…。死ぬ気で頑張れば、何とかなりそうな気がしなくもないが…。

…まぁ、あんまり高望みしてもな。

ランキングにはこだわらず、自分に出来るベストを尽くそう。