夕飯の片付けが終わってから。

俺は、自分の荷物を一階の空き部屋に運んだ。

それにしても、広い部屋だ。

まだ家具もカーペットもなくて、がらんとしてるから余計そう思うのだろう。

この部屋だけで、実家のリビングくらいの広さがあるんだけど。

こんなところで寝泊まり出来るとは、贅沢だなぁ…。

その分、掃除するのが大変そうだ。

住んでるのはたった二人なのに、絶対こんな広い家持て余すって。

一部屋一部屋が広いもんだから、物置きにするのも勿体無いんだよなぁ。

実家から持ってきた荷物を片付け、シャワーを浴びて。

自分の部屋に布団を敷いて横になる頃には、既に日付が変わっていた。

怒涛の如く過ぎた一日だったよ。

だが、どうなることかと心配した割には、どうにかなった。

初めて会った同居人…無月院のお嬢さんも、意外とまとも…とは言えないかもしれないが。

少なくとも、話は通じる相手みたいだし。

高慢で、人を小馬鹿にするような女王様タイプでもなかった。

何考えてるのか、いまいち分からない相手ではあるが…。

そこのところはまぁ、追々分かってくるんじゃないだろうか。

やれやれと胸を撫で下ろして、俺はあっという間に眠りについた。

これが、記念すべきお嬢さんとの同棲一日目の夜であった。