アンハッピー・ウエディング〜前編〜

結局その日は、午後中いっぱいお嬢さんのおままごとに付き合わされた。

疲れたよ、俺は。

やってみて分かったのは、高校生にもなって、年上相手とおままごとするのは精神的にキツいものがある、ってことだな。

って、やってみなくても分かるだろ。

まずは恥を捨てることから始めなければならない。

折角の休日を、こんなことに使ってしまうとは。

時間の無駄遣いって言うんだよ。こういうのを。

でも、お嬢さんは謎に満足そうだった。

それで良しとしておくよ。もう。

おままごと遊びに疲れたから、今日は早く寝よう…と、思っていたのだが。

その夜、実家にいる母から、俺の携帯電話に電話がかかってきた。





『久し振り、悠理。大丈夫?』

開口一番、母さんの心配そうな声を聞き。

思わず気が緩んで、「大丈夫じゃない」と言ってしまいそうになるのを、必死に堪えなければならなかった。

下手なこと言って、余計な心配かける訳にはいかないからな。

発言には慎重にならなければならない。