「初季、なんで私のこと受け入れてくれたの?」
 私なんて足を引っ張ってるだけだし、1人泊めるにもお金がかかる。初季は少し目線を逸らして微笑んだ。

「だって、なんか嬉しかったから」
「え?」
「人間が店に来てくれたの初めてだし、しかも俺と同じように逃げて来たから」
「……」

嬉しいって言ってもらえたことに胸が高鳴った。やっぱりここでなら私は生きていける。そんな気がした。