だからこんなに慣れてるんだ。感心して見ていると、人が入ってくる音がした。

「初季くん〜今日はオムライスお願い」
「はーい!…ごめん凛花、運んでくれない?」
「えっ…待って私帰らないと」

 初季は私の返事もなしにオムライスの乗ったお盆を持たせた。

「なんなのよ…」

接客なんて初めてだし、緊張する。落とさないように慎重に歩いて、お客さんのところまで行った。そこには優しそうなおじいさんがいた。

「どうぞ」
「お、お嬢さん新しい従業員かい?」
「え?いや、昨日近くを通ったので泊めてもらって…」
「え?」
おじいさんは不思議そうに私の顔を見つめた。
「こんな森に何しに来たんだい?」