「シルヴィーヌ!アリシアに何した!?」



シルヴィーヌは右手に血のついた剣を持って妖しく笑う。


「あら、ゼル様。アリシアは30年とはいえ、あなたのことをお忘れになっていましたのよ?仮にも花嫁になるはずの人がこんなんじゃ一族に傷がつきますわよ?」




俺はその言葉に腹が立った。



「それにアリシアはもう助からないかと思いますわよ?私の剣は傷つけた者の生気を抜き取るので尚更。アリシアの事を忘れて私と婚約しましょう?」



「アリシアは絶対に助ける!!お前とも婚約する気もない!!」




俺が声を張り上げると、ふと聞き慣れた声がした。