ある日、ゼルが部屋にきた。 ゼルは真面目な顔であたしを見つめる。



「紫音、今度パーティがあるんだが、その前に話さなきゃならないんだ」



「何? 大事なこと??」


あたしの部屋のソファーにゼルがよしかかった。



「パーティの日だが、絶対俺から離れるな。 パーティに紛れ込んでるやつが必ず出る。 いちおうロゼフォードも付いてるが、パーティのときは気をつけてくれ」



「じゃああたしが出なければいいじゃん」


あたしの言葉に、ゼルは首を横に降った。


「それはできない。 今回のパーティは紫音が出なければならないほど重要なんだ。 今回のパーティは正式な花嫁を選ばなければならないからだ」



そんなに重要なパーティだったんだ……。 あたし一般庶民だからなぁ〜。 浮いちゃいそうで怖いんだけど……。