つまり、あたしはあの男によって拉致られてしまったのだ。 「気がついたか」 低く、だけど優しく声かけられたのはなんとあたしを拉致ったあの男だったのだ。 「い……いつからいたの?」 あたしは驚きで目をまんまるくした。 いや、だってさ、気配消して立ってた、ということになるでしょ。普通に怖いから。 「何って、ずっとここにいたが?俺を幽霊でも見たような目で見ないでくれるか?」 ……普通は誰だってそう思うけどねぇ。