年が近いのはビンスだった。
ビンスが昔初恋をしたのはリリーであることも知っている。ただ少々口が達者で勝気なリリー本人の毒舌に甘い思いも木っ端みじんにされたことを思い出した。
ただ勝気な割に可憐な容姿でどいつもこいつも口説こうとすれば本人の無自覚な鋭い毒舌に抉られ、リリーを溺愛しているアンドリューに釘を何十本も刺されるという鬼畜っぷりに皆心が折れていっただけだ。
そしてどうしようもなく浮かれていた俺も馬鹿だ。
盗み見たアンドリューと同じ刺繍のハンカチにときめいた。そんな風に俺を思ってくれていたのだと。しかもリリーはしっかり鳩の宛先間違っていませんか、とお手紙をくれていた。その都度俺はリリーがはじらっているのだと余計に恋は加速した。
恋した相手は母親だった。
もう一生お母さん大好きと言っておこうか。
「あーーー死にてーーー」
思わず漏れた本音は部屋の中で小さく響く。
目を閉じて思い出すのは最後にビンスとじゃれあっていたリリーである。
弟が羨ましくてやるせない。
ビンスが昔初恋をしたのはリリーであることも知っている。ただ少々口が達者で勝気なリリー本人の毒舌に甘い思いも木っ端みじんにされたことを思い出した。
ただ勝気な割に可憐な容姿でどいつもこいつも口説こうとすれば本人の無自覚な鋭い毒舌に抉られ、リリーを溺愛しているアンドリューに釘を何十本も刺されるという鬼畜っぷりに皆心が折れていっただけだ。
そしてどうしようもなく浮かれていた俺も馬鹿だ。
盗み見たアンドリューと同じ刺繍のハンカチにときめいた。そんな風に俺を思ってくれていたのだと。しかもリリーはしっかり鳩の宛先間違っていませんか、とお手紙をくれていた。その都度俺はリリーがはじらっているのだと余計に恋は加速した。
恋した相手は母親だった。
もう一生お母さん大好きと言っておこうか。
「あーーー死にてーーー」
思わず漏れた本音は部屋の中で小さく響く。
目を閉じて思い出すのは最後にビンスとじゃれあっていたリリーである。
弟が羨ましくてやるせない。


