「びっくりしたぁ〜」

「ごっ、ごめんなさい!」


そう言いながら後ろを振り返ると、ふわふわの栗色の髪の毛を揺らしながら、ぱっちり二重の大きな瞳を細め、クスクスとおかしそうに笑っている女の子が座っていた。


絵に描いたような綺麗なその容姿は、きっと誰から見ても羨ましがられる筈だと思ってしまった。


「大丈夫大丈夫、あたしも突然声かけちゃってごめんね?」


首を傾げながらそう言ったその子から、ふわりと香る花の香り。


「ふじさわ、あかりちゃんって言うんだね。ごめん、椅子に書いてある名前見ちゃった。あたしは真城(ましろ)ゆいだよ〜、仲良くしようね!」

「えっと、よ、よろしくお願いします、!真城さん、!」

「あははっ固い固い!ゆいでいいよ!同クラだし前後の席だし気軽に話そう〜」


そう言ってニコッと微笑む姿でさえ可愛くて、同じ女子だけど一段とキラキラ輝いて見えた。


これが高校生なのかと一人心の中で感心していると、明らかに先程よりざわついている教室に気が付いた。