ざわざわと色んな音が入り交じる新しい教室。

少し硬い新品の制服に身を包み、新入生と書かれた名札を胸に付けた私は、無事念願の高校の入学式を迎えていた。


お祝いの言葉が担任の先生から書かれている黒板を見つめ、緊張で高鳴る胸を落ち着かせる為に、ふぅと浅いため息を吐く。


周りを見れば校則が緩い分、髪色が明るくてギャルっぽい子も入れば、私みたいに大人しそうな子も居たりと割と半々。


中学の頃仲が良かった友達とは別々の高校に進んだ私は、昨日の夜は新しい友達を作れるか不安で余り眠れなかったし、今もどうやって話しかけようか凄く考えているところだった。


そんな私とは対照的に、もう何人か仲良いグループが出来ていて、みんな何でそんなに積極的なのかとますます焦る気持ちとは裏腹に、緊張で全然動かない私の身体。


入学式を逃してしまったら、憧れの高校生ライフの第1歩を水の泡となってしまう。


よし、!こうなったら当たって砕けろだ、!



「ねえねえっ」

「わっっ、!!」

「うわっ!」


そう意気込んで勢いよく席を立とうとした瞬間に、後ろから女の子の声がして思わず声を上げて立ち上がってしまった。