今私は、人生で1番と言っていい程焦っていた。



「ないっ…なんで…っ、受験票が…」


鞄のどこを探しても見つからない受験票。


今日はずっと前から準備していた、高校受験本番の日。そんな日に限って、1番と言っていいほど大切な受験票を無くしてしまった。



「なんで…!?昨日の夜ちゃんと鞄に入れたはずなのに…!」


持ち物も忘れないようにと、何度も何度も確認したりもした。よりにもよって、もう受験場所に着いてしまってから気が付いて、もしかしたらと家に帰って探しに行く時間も当然だけど無かった。


どこかに落としたのかも…。
終わった…。私の憧れの高校生ライフが…。



「もう…最悪…」


探す手を止め、泣きそうになるのをギュッと堪えた時だった。






「ねえ、これってもしかして君の?」