「どうして……分かったんですか?」

「簡単な事です。私の周りに居る人の中で、あなたと同じように、その人だけに夢中になっている顔をしている人が居たんです。
その人達は皆、その人に恋をしていました」

「どう思いましたか? 俺の事……」

「素敵だと思いました。
好きな人に出会えるなんて、うらやましい。私はまだ好きな人に出会えてないですから。
…どう…しました?」



植倉先輩に恋する人を見ると、戸惑った表情をしている。



「想像していた言葉と全然違っていた事を言われて…友達や家族もそんな風に思ってくれたら良いなぁって……。
まだ俺の好きな人の事を話してないので……」

「近い人ほど、言えない事ってありますよね……。
私も家族に友達が居ない事、話してませんから」