「弓道場までの道に落ちてないか行ってみようか」

「ごめん」

「ん、いいよ、一緒に探そう」

僕達はもう一度弓道場に戻った。


「無いなぁ、部室も見てみる?」

「うん、部室の鍵借りてくる」

愛菜は走って取りに行った。


今日は人が少ないから部活の人が拾ってくれるかくらいしか考えられないんだが……


部室の鍵を持ってきて「ごめんね」と謝る愛菜


「いいよ、ゆっくり探しな」と声をかける。


10分ほど過ぎただろうか……


あきらかに顔が暗い。



「なかった?」

「うん」

「もう一度自転車置き場まで探してからバスで帰る?」

「うん……」

愛菜は朝から雨が降っている時はバスで登校する時もあるのだ。


「帰ってスペアキーがあるか見てみる」


「うん、そうしよう」

2人は門を出た。


「公園どうする?」


「今日は帰る……」


凄く落ち込んでいる愛菜



公園に寄らずにバス停がある大きな道路に出る道を歩く。


僕はスマホを出して調べた。

「愛菜、自転車の型番とかわかったらスペアキー作れるみたいだよ」


「……ありがと」

歩いていると雲行きが怪しくなってきて突然の雨、ゲリラ豪雨だ……

あっという間に服はびしょびしょ……

「愛菜、家に寄りな」

「え?大丈夫よバス停まで走る」



「僕が嫌だから……そんな格好見られたくないよ」

まだ半袖ブラウス1枚の制服は濡れて愛菜の体のラインをくっきり出していた。