放課後、愛菜は文化祭準備で部活に来れなかった。
部活の人数も半分くらいで少し早めに切り上げることにした。
キャプテン不在だったので僕が部室を閉めて鍵を返しにいくと、落し物の箱に僕とお揃いのキーホルダーを付けた鍵がいれてあった。
「先生、これ……」
「落し物ならノートに書いて持って帰れよ」
「はい」
ノートには昨日の日付が書いてあった。
時間までは書いてなかったのできっと入れ違いになったんだろう。
僕はノートに記入して愛菜の教室に持っていく事にした。
愛菜の教室がある校舎にはあまり来ることがない。
LINEを入れてみたが既読がつかない。
教室に着くとそっと覗いて見た。
色々固まっていて愛菜の姿がわからない。
坂下凛華(さかしたりんか)という部活でいつも愛菜といる友達を見つけた。
隣のクラスと合同と言っていたからこの教室にいるのかな?
「坂下」
僕は少し抑えた声で呼んだ。
坂下は気づいてくれて教室の入口まで来た。
「何?」
「愛菜は?」
教室をキョロキョロしていた。
「ちょっと待って、うちのクラス見てくる」
そう言うと隣のクラスに入って行った。
廊下で待っていると坂下と後ろに愛菜がいた。
「ありがとう」と坂下にお礼を言うとさっきの場所に戻った。



