「愛菜のおかげで由依も素直になれた、ありがとう……由依の中の咲優のイメージを壊したくなくて話してなかったんだけど、正直に言って正解だった、愛菜にも謝ったし」
「私も理久斗くんに謝らないと……」
「え?」
「……自転車の鍵に水族館で買ったお揃いのキーホルダーを付けてたの、ごめんなさい」
「っ……焦ったー、謝るって言うから別れるとかの話かと一瞬頭をよぎったー、よかった」
「どうしてそうなるの?」
「愛菜から好きって言われないし……あっ、でも全然今楽しいしちゃんと彼氏出来てる……よな?」
「……うん……大丈夫だよ」
愛菜は目の前に置かれたジュースをゴクンと飲んだ。
雨が止んだから帰るねと愛菜は帰っていった。
バス停まで送るって言ったんだけど大丈夫といわれた。
僕、最後に何かやらかした?
明日から文化祭準備で一緒に帰れないのに……
家に連れて来なきゃ良かったのか?
咲優にも会うし、由依からも色々言われて……
はぁ……
次の日の朝、LINEでおはようとスタンプを送るといつものように返してくれた。
昨日の帰り様子がおかしいと思ったのは気のせいかな……



