理久斗も咲優の事は可愛いと思ってたし年上でも気にならなかった。
理久斗は中学の時から今の高校で弓道をやりたくて咲優にも話していたが、咲優の頭では無理で制服の可愛いM女子校に通うことになった。
それから咲優は見た目も遊び方も派手になっていった。
それでも何となく付き合っていたが理久斗は塾に、咲優は友達と夜も遊びすれ違いが続いた。
理久斗が入学して愛菜に出会い愛菜に一目惚れした事で咲優には気持ちが彼女から少し冷めて、幼なじみに戻ってしまった。
そして、理久斗から好きな人が出来たと咲優に告げて別れる事になった……
愛菜は下を向いてじっと聞いていた。
理久斗くんが頭を撫でてくれる。
「別に咲優の事が凄く好きだった訳でも嫌いになった訳でもないんだ……なんとなく付き合い始めてこういうのが付き合うって事かって、でも咲優が話してる事は僕にはわからなくて、聞くことしか出来なかった。聞きながら遊びすぎじゃね、とか心のどこかで男とも遊んでるんじゃないかなとか……僕が咲優の事を信じられなくなったんだ、まあ本当の所はわからないけどね……」
飲み物を取りに階段を降りかけて途中で兄の話を階段で座って聞いていた由依は膝を抱えて頭を下げていた。
理久斗が冷蔵庫から飲み物をコップに継ぎ、「由依」と呼んだ。
理久斗は由依が階段にいたのを気づいていた。
由依は立ち上がってダイニングに入っていく。



