教室に入りそのまま彼の隣に座った。
まだ居るのは私達だけだ。
 

「ふぅ、やっとついた、、」


「お疲れ〜笑」


そういえばいつも彼は一条くんと並んで座ってたような。

ギリギリの時間に滑り込むことが多い一条くんとは別行動なのかな。


「あ、そういえば名前言ってなかった。俺、笹木凛ね。」


一方的に知っていますとは言えない。
 

「もしかして知ってた?」


「え?!」


「やっぱり〜笑」
 

「あ、そのすみません決してストーカーなどではなくて!!」


「わかってるわかってる。慣れてるから、やっぱ友達が有名人だとね〜」


友達が周りにいろいろ言われたり注目浴びたり、もしかして笹木くんも迷惑なことがあるのかもしれない。


「、、、すみません。」


「だから大丈夫だって。あ、もしかして一条のこと好きだったりする?」


「え?!!!」


なんでなんでなんで?!


「声デカ笑 わかりやす〜」


「いやその違うんです!!私みたいな通行人Aなモブなんてそんなことないんです!!烏滸がましい!!!」


「いや必死か」


「いやあのほんとに好きとかじゃなくアイドルというか推しというかごめんなさい自首します」


「いやいやいやめっちゃ飛躍するな?」
 

私はなんてことを、推しに迷惑かける推し活はもはや犯罪じゃないか。


ファン失格である。


同じ空気を吸う価値無し。


「大変申し訳ございませんでした。本人やお友達の気持ちを考えられずに、私はなんてことを、、」


「待って待って落ち着いて。大丈夫だから!」


「ですが私は」


「本当に大丈夫だって。君俺達になにもしてないじゃん。しつこく話しかけてきたり、追いかけてきたりとか。」


なんと!


「そんなこと!するわけがないです!」


「うん、よかった。だから大丈夫だよ。」
 

や、優しい!!優しすぎる!!


「あ、そうだ。一条情報教えてあげよっか?君が悪さしなさそうなのわかったし。」


「なんと!!!」


「なんとて笑」


、、、でも一条くんがいない所で一条くんの話をするのってなんか嫌だな。


「、、、いや、あの。知りたい気持ちが溢れているのですが、自分の知らない所で噂話とかされるのは誰もが嫌なことだと思うので大丈夫です。ありがとう。」


そう言うと笹木くんは目を丸くし驚いたような顔をしていた。


「、、笹木くん?」


「あ、いやなんでもない。大丈夫。」


もしかして何か気に障ることを言ってしまったのだろうか。