彼女が立ち去ったのを確認して近くの物陰に移動した。


少し注目を集めてしまっていたので、、。


チラリとパンダくんを見る。


「パンダくん、改めて助けてくれてありがとう。」


「、、、、別に、たいしたことできてないし。」


そう言って俯くパンダくん。


「そんなことないよ、心強かったよ。」


なかなか顔を上げてくれない、


どうしたのかな?


「パンダくん?、、、えいっ!」


「?!」


「えへへ、どんなに俯いても私小さいから顔覗けちゃうんだよ〜」


「、、、はは。そっか。」


パンダくんの表情が緩み身体の強張りが解けていくのが分かった。


「はぁ〜、、。なんかモブちゃんの顔見てたら力抜けちゃった。」


「、、それって悪口?」


わざとムッとした顔をする。


ふざけて冗談で返してくるかと思ったら、



「そんな訳ないじゃん、安心できるってこと。」


なんて、


パンダくんは今まで見たことがないくらい柔らかく優しく微笑んだ。



その顔があまりにも愛おしい、とでも言うような思いが伝わってしまって、


自分の顔がカァァ、と赤く染まるのが分かった。


思わず手で抑えて隠したら、パンダくんが真っ直ぐ私を見つめながら、


「どうして隠すの?かわいい顔。」


顔を隠してた手を掴まれた。


決して強い力ではないけれど、何故か振り解けない。


ドキドキしすぎておかしくなりそう。


どうにか声を絞り出す、


「、、、、は、恥ずかしい。」


「大丈夫だよ、俺しかいないから。」


「、、、パンダくんだから恥ずかしいの。」


「っ!、、、それってどういう意味?」


「、、そ、それは。」
  

その時、最近頭に焼き付いている一条くんとパンダくんのツーショットが流れて見えた。




仲の良い2人。



近い距離。



素の表情。



同じアパート。






本当に友達??




思わず口から出そうになった言葉。


咄嗟に手を振り解き口を塞いだ。


「な、なんでもない。」


パンダくんは目を丸くしていた。


「モブちゃ」


「あっ!一条くんに待っててって言われてたんだった。そろそろ来るかも。」


「、、、。」








ごめんね、パンダくん。




私にはこのモヤモヤを確かめる勇気がないの。