「またね、モブちゃん。」
「またね!パンダくん、一条くん。」
2人と手を振って別れる。
3人で遊んでから数週間が経った。
私達の関係は特に変わらず、いつも通り。
講義の時も、休憩の時も、一緒にご飯を食べる時も、何も変わりません。
別になにかトラブルがあった訳ではないのだから当然だけど、、、。
私の心の片隅で勝手にモヤモヤしちゃってるだけ。
「でも思い込みかもしれないし、、、。」
「何が思い込みなの?」
「わっ!一条くん?!」
びっくりした!!
「驚かせてごめん。さっき間違えてプリントを、、」
一条くんがバッグに手を掛けた時、
「あの!一条くん!」
知らない女生徒に声を掛けられた。
一条くんの知り合いでしょうか?
「、、、何?」
「あ、あの!今ちょっと時間いいかな?、、、2人で話したいことがあって。」
「、、ここじゃダメなの?」
「え、、でも、、。」
彼女は私をチラリと見た。
そこで私は彼女が頬を真っ赤に染めて、手を強く握っていたことに気がづいた。
こ、これはもしかして、、。
こ、こここ告白でしょうか?!
ならばお邪魔してはいけませんね!
「一条くん、私は大丈夫なので行ってきてください。」
一条くんはハァとため息を吐いた。
「ごめん、プリント渡したいからちょっと待ってて。」
「はい。」
一条くんと彼女が移動して行く。
、、、どうなるんでしょう。
全く関係のない私までドキドキしてしまいます。
一条くんを呼び出した彼女はふわふわに可愛く巻いた髪、清楚なワンピース、ピンク系のかわいいメイクの可愛らしい女の子だった。
同じ女の私でもかわいいと思った素敵な子。
きっと、告白の為にいっぱい自分磨きしたんだろうなぁ。
すごいなぁ。
私は遠くから眺めることぐらいしかできないのに、
もし私が好きな人に告白するなら、、、
一条くんに恋人ができるかもしれないことに対するモヤモヤはなかった。
私、一条くんのことが気になっていたはずなのに、、。
告白の脳内シミュレーション、なぜか相手はパンダくんだった。
えっ!なんで?
無意識に告白相手に選んでいた。
これって、、私、、。
何考えてるのです私。
彼女みたいに告白なんてできる訳ないのに。
もし告白されるのがパンダくんだったら、、。
つい、パンダくんが女の子に告白されて恋人ができることを想像してしまった。
ズキン
胸が苦しい。
やっぱり私、パンダくんのことが、、、
「ねぇ、ちょっと。」