夕方、帰り道。
夜遅くならない気遣いが嬉しい。
待ち合わせた駅まで3人で歩いてきた。
「私、ここで大丈夫です。」
「そう?」
「最寄り駅まで送るよ?」
「そんな遅い時間じゃないから大丈夫ですよ。2人共反対方向だしね、家が近いんですか?」
「ああ、同じアパートなんだよ。」
「、、、そうなんだ。」
また、胸に過ぎる違和感。
「、、、今日はありがとう、すごく楽しかった!」
「俺も!また講義でね、メールする。」
「また遊んでね、笹木とだけじゃなくて。」
手を振って別れる、
少し歩いて振り返ると2人は見送ってくれていた。
家に帰り、
私は考えていた。
今日気づいてしまった違和感に。
映画もご飯もゲームセンターもボウリングも、全部全部楽しくて、
2人と縮まった距離が嬉しくて、
縮まったからこそ気づいてしまった違和感に、
心乱されている。
パンダくんがくれたパンダのぬいぐるみをだきしめる。
窓から見える外は少しづつ夜の闇に染まっていた。