お出かけの日は雨が降っていた。


「急に呼び出してすまんかった。学園を休んでいると聞いておるが体調はどうじゃ?」

 ここは王宮の応接室。陛下と王妃様、両親、それに私が机を囲んでおります。

「はい。お医者様が仰るにはそろそろ学園へ通っても良いとのことなので、週明けから復帰しようと思っております」

 馬車に乗っても大丈夫そうでした。少しの違和感はありましたが、お父様がクッションをたくさん置いてくれたのが幸いでしたわ。って陛下に王妃様と同じ空間にいるなんて! なんですの! この時間ーー!

「そうか、それは良かった。しかし学園でエリックのせいで嫌な目に遭っておるのではないか?」

 ……!

「いいえ。問題ございませんわ」

 お父様とお母様にじぃっーと見られて視線が刺さって痛いわ! 命に関わる問題はありませんもの。

「そうか。令嬢は優しいな。エリックのことなんぞ罵ってやっても良かったんだぞ」

 ……? 罵る?

「殿下は……殿下なりに助けてくださったのだと思います」

 不敬に当たるかしら……殿下なりにだなんて。