【母×王妃】

「ごめんなさいね、お待たせしてしまって」

 他国のお客様が王宮に滞在をしていてその夫人達とのお茶会があるので王妃様からお誘いいただきましたの。その後に少し時間を作る様に言われ、今に至ります。

「いいえ。とんでもございませんわ」

「うちの息子の事でモルヴァン夫妻の間でも何かあったとか?」

 
 どうしてそれを……

「ふふっ。あなた達は良い夫婦よね。お互い想い合っていて。伯爵が陛下とお話をされたらしいの。陛下は学生時代を思い出したらしく懐かしそうに語ってくれたわ。伯爵とは学生時代によく王宮図書館で会っていたらしいわ。それで伯爵は陛下が図書館に来そうな時間帯を狙って会いに来たんですって。エリックの話を聞いて陛下は驚いていたの。私達はお互いに別で動こうと思っていたのだけど、陛下からお話を聞いて、私も夫人のことをお話したのよ。それから話し合ってエリックの事を決めたわ」


「うちの娘の婚約話がこんな大きな問題に発展するんて……申し訳ございませんでした」

 ハリスがもう少し大きかったら家督を譲って隠居しても……いえ、それでは足りないのかしら。

「婚約を考える時点で相手の家のことは調べるものでしょう? 調べた結果が答えなのだからあなた達は気にする事などないのよ。エリックが陛下に責任をとる。と言ったのだから責任をとってもらいましょう」


 それがリル王国王女との結婚とは……なんとも言えないでいました。