「せめて学園は卒業させてください! あと半年ですよ」

「学園ではお前も知っての通り家のために嫁ぐ令嬢は学園をやめる。テストに受かれば卒業した事になる、安心せよ。お前が婚約破棄の立会いをした子息は卒業を待たずに辞めた」

 あぁいえば、こう言う……どうすれば良いんだ!

「私がまだ、リュシエンヌを振り向かせていない事が原因なんですね」

 リュシエンヌさえ、婚約を受けてくれればこんな事にならなかったという事か……

「お前では無理だな。モルヴァン家からの信用がない。まぁ信用なんて出来るわけがない。理由は分かるな?」

 婚約破棄の立会いをしたから……


「好いておるのなら、正統法でアタックすればこんな事にはならんかった。これはおまえへの罰だ。コリンズ子息は領地で監禁、コリンズ伯爵家は慰謝料として鉱山を譲渡。コリンズ伯爵家から訴えられたら慰謝料を払えるか? 今回の事コリンズ伯爵家にも事情聴取に行った。モルヴァン嬢に申し訳ない。としか言わなかった様じゃ。息子がバカだとしか言わずお前のことは恨んでないそうで力なく笑っていたそうだ。おまえの行動で二つの家が困惑しておる。そしてこの件の責任を取れるのはおまえだけだ。王族として潔く国王の命令を聞くが良い」



 そうしてリル王国へ行く事が決まった。






「せめて最後にリュシエンヌに別れを告げさせてください――」