「え! リュシエンヌと婚や──」

「リル王国の王女の王配となり同盟を結んできなさい」

 リル王国は小国で確か私より四歳上の王女が結婚相手を探していて我が国との同盟を……政略結婚だ。 


「貴方が取るべき責任は国を出る事よ。そしてリル王国と同盟を結びなさい。結婚の際は盛大に祝ってあげるわ。これは決定事項です。他国の要人にもその旨伝えてあります。良いタイミングで我が国に来てくれたものだわ」

 ……決定事項。


「陛下もご存じだからそのつもりで。早くて来月には出立出来るように急いで用意をするわ」


 ……そんな、バカなことがあってたまるものか! 急いで父上の執務室へと向かう。



  





「父上! ひどいではないですか!」