「ごめんなさいね。急ぎ調べさせるからまた連絡をするわ。主催者がここで長居をしていると不審に思われる方もおられるかもしれないから、失礼するわね」

 王妃様が席を立たれました。私も立たなくては。そう思うのに腰が……

「あ、そうそう。ここでの話は不敬に捉えることは致しませんから、気になさらずに。子供を思う親の気持ちは一緒ですから」


 王妃様は笑顔のまま席を外しました。夫に相談しなくてはいけません。不敬に捉えられることはない。と言っても殿下を信用出来ないだなんて……家の為に離縁を考えてもらうのが一番かしら。その後は実家の領地にある孤児院が併設されている修道院で反省しながら残りの人生を歩みましょう。子供達のことをお願い。と頭を下げなくては……


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