すぐさま立ち上がりカーテシーをする。

「ん? エリックか。そちらのお嬢さんは?」

「私の学園の友人です」



「初めてお目にかかります。モルヴァン伯爵が長女リュシエンヌと申します」

 緊張する….

「楽にして良いぞ。エリックが友人を連れてくるなんて珍しいな」

「えぇ。彼女はとても優秀で、学園で人気があるんですよ」

「エリックが急ぎ図書館の入館証を作らせたのは彼女のためか?」

「はい。学園にあった書物を移動してしまいましたから彼女の学びの邪魔をしてしまいましたので当然ですよ」
 
「何を調べているんだね?」

 私に質問をされましたわ! 緊張しますわ……

「はい。わたくしは王国の歴史の中であった自然災害について調べています。土砂崩れであったり、水害であったり、炭鉱での事故などです」

「珍しいのぉ、なぜその事について調べておるんじゃ?」

「自然災害について調べていますのは鉱山の事故が無いように……学者様の意見を聞きながら採掘をしていますが、わたくしも知りたくなりました」

「モルヴァン伯爵家は鉱山を所有しておるから心配しておるのだな? 良い心がけじゃ。優秀なのがよく分かる」

「ありがとう存じます」

「どんどん調べて良い結果を得られると良いな。応援しておるぞ」



 そこまで言われると恥ずかしくなり下を向いてしまいましたわ。陛下はとても素敵なジェントルマンだわ。

「エリック、良い子じゃないか」
「はい」

 小声で話す親子の会話を聞いてはいけないと少し後退りをした。陛下とお話ししたなんて夢のようでしたわ……

 その後バラのアーチをくぐり夢心地になり、家路に着きました。家に着き落ち着いて、今日のことを振り返る。殿下は一体何を考えてこんなに良くしてくださるのでしょうか?