「すぐに結婚式を挙げましょう!」

 公爵様が言いました。

「その方が良さそうですね」

 結婚式は来月頭に早まり親族だけの結婚式となりました。披露宴は子供が産まれてからお披露目と共に開く事となりました。元気な子を産まなくてはいけませんね。


「リュシエンヌは我が家で出産して欲しいと思います。こちらで準備するので、式の後も我が家で生活します。初めての子ですし、無理をさせたくないので……閣下良いですよね? 本部への異動で忙しいんですから、たった一年ですよ」

 お父様のお顔が怖いですわ……有無もいわさぬ言葉遣い。閣下って呼んでいるわ。いつもお名前で呼んでいたのに。

「……いや、式を挙げたらぜひ私の屋敷で一緒に生活を、」
「子がいるのだから何かあっては困る。会いに来たけりゃくれば良い。無事に出産を迎えるまで娘は伯爵家で面倒を見ます。公爵様、夫人どうかお許しください」

 お父様とお母様が頭を下げました。

「グレイ、伯爵の言う通りに……その代わり披露宴は盛大に挙げよう。リュシエンヌちゃんが無事に出産出来るよう、うちからも支援させていただきたい」

 子供が出来て怒られたり、驚かれたりするかと思ったらすんなりと受け入れられましたわ。その後レイ様を私の部屋にお招きして話をしました。


「まだ初期段階で、妊娠したとは限りませんのにお母様ったら大袈裟に、」
「いや、可能性は高いのだから夫人のおっしゃる通りだよ……避妊はしてないから出来ていてもおかしくはない」

 ……レイ様ったら生々しい事を。嫌ですわ。