『やっと笑いました! レイ様の笑った顔が好きです。レイ様はこれから今日のことも含めて忙しくなりますよね? でも私といる時はリラックスしていて欲しいのです。私はレイ様と結婚してレイ様のおかえりを待っています。どこにも行きませんよ?』


 リュシエンヌがどこかに行ってしまいそうな気がしたんだ……誰かに取られて私の知らないところへ……

 見透かされていたのかもしれない。だから冷静を装っていた。本当はシオンを殴り殺してやりたいと思った。私のリュシエンヌに勝手に触れるな! 馴れ馴れしくリュシエンヌの名前を呼ぶな!


『レイ様は責任感が強いのですわ。とっても尊敬します! それと、言いましたよね? 結婚後は生活に困らせる事はしないって。レイ様は頑張ってお仕事をして、いずれは本部の騎士団長になってください! 私は騎士団長の妻です。と皆に自慢しますわ! それにまだまだレイ様に買ってもらいたいものもたーくさんありますからレイ様は、私の物欲を満たす為にも今まで以上に働いてもらわないと困りますよ? お家に帰ってきたらお疲れ様でした。と毎日褒めてあげますから、疲れても帰ってきてくださいね?』


 私の稼いだ金は全てリュシエンヌに。望むのなら屋敷も全てリュシエンヌの物に……リュシエンヌは物欲がないくせにこんな可愛いことを言って私の尻を叩くのだ……リュシエンヌは騎士団長の妻という事を自慢するというが、リュシエンヌの性格上そんな事はしない。私に気を遣って言ったんだろうな……


 優しくて可愛くて最強のリュシエンヌ。


 ……子守唄を歌ってくれるって。理性が保てるか自信がない。結婚式まであと……