「最近さ……弟から見ても姉様が可愛いんだけどどう思う?」

「ハリスから見ても可愛いからお父様が複雑な顔をしているんじゃないの? よくぶつぶつ言ってるじゃない。お嫁に行くのが寂しいって」

「でも孫が欲しいとも言っているしいつも言っている事が違うんだよね」


 姉様が作ってくれたサンドイッチを食べながらパティと話をしていた。

「あ、このサーモンのサンドイッチ美味い」

「私は卵のサンドイッチが好き」

 少し形の悪いものもあるけれどきっとこれは姉様が切ったんだろうな。


「ねぇねぇ、お父様とお母様の結婚式の写真を見て不自然だと思わない?」

「あ、パティも気がついた?」

「うん。お母様のお腹にはお姉様がいたんだね。ちょっとお腹が目立ってきてたんだね」

「結婚が決まっていたから、ちょっと順序が変わったくらいよ。って母様は笑っていたから良いんじゃない? 父様は僕たちに言われて恥ずかしかったみたいですぐにいなくなったけど」


 真面目な父様が結婚前に母様に手を出したと思うと何故か笑ってしまった。父様はあんな顔をして異性に対して潔癖だし、母様は安心だよね。

「お姉様も早く子供を作ってくれれば良いのに」

 ぶふぁっ!

「ちょっと! ハリス汚いわね! 吐き出さないでよ!!」

「パ、パティが変なことを言うからだろ! 姉様に子供なんてまだ早いよっ!」

「分かんないじゃない! あんなにラブラブなんだから、いつ何があってもおかしくないわよ。お姉様の子なら絶対可愛いもん!」

「……姉様に似たら可愛いだろうけど、義兄様に似たらどうする? 厳つい女の子とかさ……」

 義兄様にも子供の頃があったはずだし、可愛い時期もあったんだろうが……義兄様に似た女の子だったらどうしよう。僕たちも可愛がってあげないと……

「どっちでも良いんじゃない? お義兄様に似てもお姉様は可愛いって言って大事に育てるだろうし」

 それにしてもパティはよく食べるな。サンドイッチがなくなる勢いだ。

「このサンドイッチ美味しくて止まらないわ。太っちゃうわね」

 確かに顔が丸くなってきた……言ったら怒られそうだから言わないでおこう。

「そういえば義兄様はまた顔が優しくなってきたよね」

「お姉様のおかげだね」



 最近姉様は学園に行っても帰りに公爵家に行ったり忙しそうだ。家でゆっくりしてほしいから早く帰ってこないかな……