「あら、あなたまた来たの……」

「ご機嫌よう」

「先日忠告致しましたのに、また来たのですか? 呆れてものが言えませんわ」

 例の子爵家の令嬢ですわね。そうです。#子爵家__・__#の令嬢ですのよね……この方色々と大丈夫でしょうか?

「ここは自由に見学ができる場所だと聞いておりますが許可が必要でしたの?」

 笑顔で和かに会話をする。


「新参者のくせに……! それよりあなたこの間婚約者がいるとか言いながらレオン様と二人でどこに行っていたのよ!」

 あ、あの時の……面倒ですわねぇ。

「副隊長様はグレイソン様の執務室へ案内してくださったのですわ。グレイソン様にランチに誘われましたの。この件に関しても許可がなくてもよろしいはずですが……」

 つい、嫌味な口調になってしまいました。見た目は可憐そうに見えて強烈な性格な方のようですわ。

「またあの隊長を使って男を誑かそうとしているのね……あなたは今後出入り禁止としますわ! 純粋な気持ちで応援できない方は迷惑です!」

「……こちらこそお話になりませんわ。失礼致します」


 こちらの方とは平和的な会話ができないと思います。出入り禁止だなんて……! そして休憩になりました。レイ様とお話をして癒されましょう。

「リュシエンヌどうした? そんなに見つめられると顔に穴が開きそうなんだが……」

 気がついたらレイ様の顔をまじまじと見つめていたようです。私の視線で穴が開くだなんて……

「あら、嫌ですわ。申し訳ございませんでした。食事にしましょう」


 レイ様はあまりお野菜を好まれませんが、私が持って来たものは残さず食べてくださります。

 本日のメニューはサーモンとクリームチーズとアボガドのサンドイッチ。
 ベーコンと卵とレタスのサンド。その他はジャガイモとマスタードの和え物などです。

 デザートにはフルーツヨーグルトを持って来ました。レイ様の執務室は給湯室完備なので、飲み物には困りません。