~リュシエンヌの親友セシリー~

「リュシエンヌ、なんか可愛くなってない?」

 元々キレイな令嬢なんだけど最近は特に……

 今日はリュシエンヌを招いて我が家でお茶会をしていた。婚約者の話を聞きたいもの!



「え? そう? 気のせいじゃない?」

 リュシエンヌはそう言って幸せそうに笑っていた。

「あれだわ! 閣下と婚約してからリュシエンヌが可愛くなったのよ」

 見た目がとっても恐ろしい閣下なのに、リュシエンヌといると凄い優しい瞳でリュシエンヌを見るの! 二人の空気が急にホワッってなってビックリ!


「ふふっ、そうかも」


 リュシエンヌが週末に図書館に通ってきたのは知っていたけれど、まさか騎士団の練習を見に行っていただなんて! 問い詰めてやったらリュシエンヌったら。


“だって……よく分からなかったの。この気持ちが”

 照れながら話すリュシエンヌの可愛い事可愛い事……これは閣下メロメロになるわ。

 しかも両思いだったなんて! 親友の幸せそうな顔を見てるとそれだけで嬉しくなるわ。

「良かったね、好きな人と婚約が出来て」

 騎士団本部(将来)の団長候補で公爵家次男って! “超玉の輿”なのに、当の本人は……優しいところが好きだとか、逞しい体が素敵だとか、瞳がキレイだとか、博識なの。と惚気出す。肩書は関係ないみたい。