「美少女と野獣だな!」

「……否定はしない」

「お前を怖がってないし、可愛いし、気がつくし、クッキーも美味い! それでお前のことを好きなんだろ? 変わってるな!」

「一言余計だが否定はしない。リュシエンヌは可愛いし、優しいし……存在が可愛いがすぎるんだ! 心配だ」

 どん。っと執務机を叩く。

「そうなるよな……しかも若いし大変だな。ちゃんと気持ちは言葉で伝えてやれよ。逃げられるぞ」


「それは困る……挙式を控えているからな。
招待状いるか?」

「……マジなんだな、結婚式か」

「両親が教会を押さえた、ドレスも作り始めているし屋敷はリフォーム中だ。伯爵家の鉱山にはウチも出資をしたし外堀は埋めた。リュシエンヌは逃がさない」

「そうか……逃げ道を作らせないところは戦略家のお前らしいな」

「負けられない戦いだからな!」

「結婚とは戦だったのか。勉強になったぞ!」