「その、レイ様が女性にプレゼントする為に……って思ってしまって」

「はははっ。なんだそんな事か。妬いてくれたんだな。それはないから安心してくれ。そんな可愛い嫉妬はどれだけでも聞いていられる。不安に思う事があったらすぐに聞いてくれ」

「わたくしは、器が小さいのですわね……婚約破棄をされた時に他の女性と仲良くして嫉妬した。と言われたのです。子息にそういう感情を持った事がなかったので、あり得ないなんて思っていましたが、レイ様相手だと想像だけで胸が苦しくなりましたわ」

 ……嫉妬深い女は嫌ですわよね。些細な事で落ち込んでしまって。しかも思い込みで。

「嫉妬した相手は私が初めてというなら、嬉しいよ。リュシエンヌ手を」

「手ですか?」

 言われた通りに手を出した。

「リュシエンヌの手は小さいな。ほら」

 腕を出されました。これは……腕を組んでも良いということですよね? 

「恋人らしいですね」
「そうだな」

「これはデートですね!」
「そうだな」

 街の人に振り向かれたりもしましたけれど、楽しいですわ。