私はいつか閣下に殺されそうですわ……心臓が持ちませんもの。ギュッと胸を鷲掴みにされて苦しい事この上ありませんわ……息苦しいですわ。

「閣下、」

「その呼び方はやめてもらいたいな。君のことも名前で呼びたい。その、恋人なんだから」

 ……私、今日が命日でも構いませんわ? 閣下の照れたお顔を見れるだなんて……

「グレイソン様?」

「皆はグレイと呼ぶぞ?」

「……一緒じゃ嫌ですわ。グレイ様……そうだわ! レイ様とお呼びしても良いですか?」

「……構わない」

 ……私だけの呼び名ですわね。レイ様。

「リュシエンヌ」

 名前を呼ばれドキッとしました。レイ様のお声で名前を呼ばれたら心臓が跳ねて寿命が縮んでしまいます。命日は撤回しますわ。もっと呼んで欲しいですもの。

「っはい!」

 名前を呼ばれただけなのに、ビクッとしてしまいましたわ。

「可愛い反応だな……今日はこれで失礼するよ。また次に会えるのを楽しみにしている。両親もきっとリュシエンヌを気にいるから肩の力を抜いて来て欲しい」

「はい」



 レイ様が帰って行ってしまいましたわ……その後ハリスとパティにも婚約する旨を伝えました。

「姉様がいいなら良いんじゃない? 全力で守ってくれそうだし、強そうだし」
「お姉様の事、好き! って全身に現れていたもの。私も賛成!」

 ……あれ? まだ二人には会わせていませんわよね?

「さては盗み見したのね? 悪い子達ね!」

「だって心配だもの。お姉様次こそ幸せになってね。そうじゃないと私結婚に夢を見られないわ!」

「騎士様と結婚なんて良いじゃないか、姉様の愛読書、」
「ハリス! 後でゆっくりお話ししましょうね!」
 
 ……恥ずかしいからそれ以上は言わせませんわよ! にこりと笑うとハリスは良い子だから黙りましたわ!

「今度二人にも紹介するわね」

「「うん」」


 まずは両親からその後は家族に会わせるのが一般的ですものね。