恋愛体質

それからしばらくして奈津美がそろそろ帰ると言い出したので私達は店を出た。

「寒い。」

誰ともなくみんなそう口に出した。冷たい風が足元を抜けていく度、ほろ酔いの体が震えた。

男性2人はコートの襟を立ててポケットに手を突っ込んだ。私は奈津美とくっつくようにして駅まで歩いた。

「じゃあね。」

「よいお年を。」

新宿方面へ向かう奈津美と長谷川さんと別れて私達はホームへ向かった。

「休みの間は何してんの?旅行とか行くの?」

成沢が聞いてきた。

「旅行はいかない。年末年始は高いし取れないし。」

私は言った。

「母親に怒られないうちに片付けとか掃除くらいはしないと。ナルは?実家帰るんでしょ?」

「うん。」

「じゃあまた来年だね。」

そんなことを話しているうちに電車が来た。車内はほどほどに混んでいた。

車両の奥の連結の近くで並んで吊り革につかまりながら世間話をしていた。

車内は暖かくてどうでもいい話をしていると眠くなってくる。

「ああ、眠い。あったかいから眠くなってくる。」

頭を左右に小刻みに振って私は言った。

「立ったまま寝るなよ。」

成沢が言った。