恋愛体質

「なんか食べるなら適当に注文して。」

長谷川さんが私達のどちらにともなく言った。

「納会で結構食べて来たからね。」

そう言いつつ私はメニューを開いて奈津美と一緒に見た。

「そんなこと言ってるけどどうせガンガン食べるんだろ?」

成沢がまたからかうように言った。

「人を大食いの化け物みたいな言い方しないでくれる?」

「違うのかよ?」

私はまた無視することにした。

「すごいね、ここの店。」

奈津美がメニューを見ながら言った。

「何?」

「料理もそうだけどドリンクのバリエーションがすごくない?」

感心した声で奈津美が言った。

「そうなんだよ。」

「料理も結構うまいよ。」

男2人が口々に言った。

「見せて、見せて。」

奈津美がメニューを私の方へ寄越した。

「すごいね。」

ズラリと並んだドリンクメニュー。ありとあらゆるジャンルの酒が一通り揃っている。

「まあ勿論マニアックな物には偏りがあるけどさ。」

長谷川さんが言った。

「酒蔵って感じ。」

私が言った。

「そうなんだよ。元々、酒の問屋が経営に参加してるみたいでさ。」

長谷川さんが言った。