恋愛体質

「ああ。こんにちわ。ちょっと待ってね。」

鶴田さんは私を一瞥してから佐藤さんに言った。やりかけの仕事の手を止めて佐藤と話し出した。私はよくわからなかったが黙って聞いていた。

「鶴田さん、今日はコンタクトセンターにいた高橋をご紹介しようと連れてまいりました。」

佐藤さんが言ったので私は名刺を差し出しながら挨拶した。

「高橋優希と申します。」

鶴田さんは私の名刺を受け取り自分もデスクから名刺を取り出して私に渡した。

「高橋さん。コンタクトセンター。」

「すみません。まだ名刺がコンタクトセンターのままですが。」

私は言いかけた。

「電話でお話したことありますね。」

鶴田さんが言った。

「はい。お世話になっております。」

私はまた頭を下げた。

「何？うちの担当変わるわけ？まいったなぁ。佐藤さんもやっと話が通じるようになってきたのに。」

鶴田さんが笑いながら言った。

「いや、担当変えじゃありませんよ。」

佐藤さんも苦笑いしながら言った。

「今度から僕と高橋と２人で担当させていただきますのでそのご挨拶に参りました。」

「そうですか。それならよかった。あ、そうだ。ちょうどいいところに。」

鶴田さんはパンフレットを出してきてぺらぺらとめくった。

「ちょうど今電話して聞こうと思ってたんだけど高橋さんがいるからちょうどいいや。」