エピローグ
「お疲れ様でした」美里が机に座る慎二に麦茶を出した。「今日は雨だったから工場の行き帰りだけでも疲れたよ」慎二は言った。しばらく間が空き、美里は「ありがとうございます」と真顔で慎二に言った。「何がだ」慎二はぶっきらぼうに答えた。「私の代わりに容疑者になってくれて。」「もういいと言ったろ」慎二は言った。「娘の恵美子の恨みをはらしたくて、、恵美子あんなに朽木大学に入りたかったのに入れなかったから、、つい楓学生寮の誰かを殺したくなったのよ」美里が言った。「それで恨みは晴れたかい」慎二がこう言うと、美里は「それがあまり晴れなかったのよ」と言った。そう語る美里の目は恨みに燃えていた。