3人が横並びに座れるくらい長く、重厚感のある机に案内され、3人は佐藤を真ん中に座った。冷たい麦茶を出された。3人は飲むのをためらった。何しろ毒を入れて並木を殺した疑いのある神ノ木慎二の家なのだ。だが、3人は口渇がひどく、麦茶を飲み干してしまった。すぐに美里がお代わりを入れてくれ、本題に入った。「あの、、並木のことで、、」佐藤が口火を切ったものの、そこから続きが出てこない。そこで初めて3人は、自分達がいかに危険なことをしているかに気がついた。しかし美里は「並木さん、、残念だったわね」と続けた。「うちの主人が疑われてもおかしくないわね。何しろ初めての場所で挙動不審に回覧板を届けていたんですもの。しかもね、工場に行く前に寮に寄ってくれたものだから、大慌てで、寮に行って、道を間違えないようにキョロキョロしながら帰りも大慌てだったのね。そりゃあ疑われるわよね。私が風邪さえひかなければこんなことになってなかったでしょうし、、。早く犯人が見つかるといいわね」美里の話しは辻褄が合っており、疑う余地もなかった。3人は、神ノ木慎二の検挙に繋がらなかったことにがっくりしながら寮に戻った。