「う、うん。……また、……会いたいと……思ってた」
正直に告げたけれど何だか動揺してしまう。こんなの私らしくない。けど、海生くんを前にするとどうにも冷静でいられない自分がいて……。
やばい、この気持ちはやばいよ。
ろくに海生くんのことを知らないのに、思い出補正だろうか、気持ちが昂っていく。
「約束、覚えてる?」
「約束?」
「俺、魚月ちゃんのこと釣り上げてもいいかな?」
瞬間、ぶわっと風が吹き抜けたように体が揺れた。
中学一年生の、あんな約束ともとれない言葉を海生くんも覚えていてくれただなんて。
感動で喉が詰まって言葉が出てこない。
「……もしかして覚えてなかったかな?」
海生くんが気まずそうに頬を掻くので私は慌てて首を横に振った。
「ううん、ううん、私も覚えてた……痛っ」
「こら、頭を振らない」
がしっと両手で頭を掴まれる。
だけどその手は優しい。
大きくて逞しい手。
成長した海生くんはとんでもなくかっこいい。
これは思い出補正でもなんでもなくて、とめきめが大きくなってしまってどうしたらいいかわからない。
こんなのまるで恋をしているみたいじゃないか――。
意識してしまったとたん、ボンっと顔が赤くなった気がした。そんな自分にますます動揺してしまう。
いやいや、そうじゃないでしょ、私。
落ち着け落ち着け。



