だけど1番驚いていたのは私だった。
だって……何も話を聞いていなかったから。打ち合わせでも、今日の本番前の練習でも何も話はなかった。
「ちょっと、SOMA!聞いてないんだけど!」
私はたまらずグイッとSOMAに近寄る。
「いいから、AINaはそのまましてろよ。これは俺の計画だから」
「どういうことよ!」
会場がザワザワと騒ぎ出す。だけどSOMAがステージの前に立つとシーン、と静まり返った。
スタッフも訳が分からない、といったようにあたふたし始める。
「今日は熱い中アイドルの夏フェスにお越しいただきありがとうございます。本日は、皆さんに大事なお話があります。少しだけ、お時間をください」
いつも冗談交じりなSOMAが真面目に話し出す。
私は何も話さない。だけど心臓はドキンドキンと騒がしかった。
「私、SOMAとアイドルAINaは……本日より、お付き合いを始めました」



